いまさらきけないFT8
FT8でDX通信を始めよう
FT8とはこんなもの
・FT8はトランシーバにパソコンを接続して行うディジタル通信です
・6種類のメッセージを以下のようにやりとりします
メッセージ 意味
CQ W6xxx AF56 CQ こちらはW6xxx 所在地はDM04です
W6xxx JA1xxx PM95 W6xxxこちらはJA1xxx所在地はPM95です
JA1xxx W6xxx -10 JA1xxx こちらはW6xxxレポートは-10dBです
W6xxx JA1xxx R-05 W6xxx こちらはJA1xxx了解、レポートは-05dBです
JA1xxx W6xxx RR73 JA1xxx こちらはW6xxx了解、73さようなら
W6xxx JA1xxx 73 W6xxx こちらはJA1xxx 73さようなら
DM04やPM95はグリッドロケータで自局の所在地を表します。東京はPM95、ロサンゼルスはDM04です。信号強度は
信号対雑音の比で表現され、信号と雑音が同じレベルであれば0dB、信号の方が強ければプラス、信号の方が弱ければ
マイナスになります。-20dB位がQSOできる限界です。
・メッセージはパソコンのソフトが生成する
メッセージや信号強度はソフトが自動生成するのでキーボードは使いません。当然英語の知識は全く必要ありません。
名前を送ったり、カードの交換を約束するようなことはできません。交信の内容はレポート交換のみです。
・FT8のディジタル信号は音です。
FT8のソフトはディジタル信号を音にして交信します。SSBのトランシーバでダイアルを7041kHzや7074kHzにして
USB(Upper Side Band)で聞いてみてください。ピーピーという音が聞こえます。これがFT8の信号で7041kHzに
合わせれば7MHzバンドに出ている局が全部聞こえます。賑やかなときには30~40局が一度に聞こえます。したがって
ダイアルを回さなくても全ての局を受信することができます。FT8の運用ではダイアルは固定で動かしません。7041kHzでは
主として日本国内のQSOが行われ、7074kHzでは海外の局とのQSOが行われます。7074kHzでJA同志の局が交信する
ことは禁止されています。
音による交信なので、パソコンのスピーカから出る音をトランシーバのマイク端子に、トランシーバのスピーカから出る
音をパソコンのマイク端子に接続します。その他送信・受信の切り替えをする回路が必要となります。
FT8の運用に必要な機材
・トランシーバとパソコン
SSBのトランシーバが必要です。FT8では全てのバンドでUSB(Upper Side Band)モードを使います。パソコンは
ノートパソコンでもデスクトップパソコンでも構いません。トランシーバとパソコンの接続はケースバイケースで
一概に言えません。
比較的新しいトランシーバであればUSB(Universal Serial Bus)端子があってパソコンとの接続はUSBケーブル
一本でOKです。IC7300、FT991A、FTDX10等が該当します。
FT8の運用に必要なソフトウェア
・WSJT-XまたはJTDX
WSJT-XはFT8のために開発された最初のソフトであり、いわば本家です。JTDXはWSJT-Xを改良したものです。
どちらを使うかは好みの問題もあり一概には言えませんが、私のお薦めはJTDXです。JTDXの方が弱い信号でも
デコードできるといわれていますし、操作性も良いと思います。またJTDXを日本人がさらに改良した日本版の
JTDXもあります。ハムログへの自動記入も簡単にできるようになっています。
・時計合わせのソフト
FT8は一つのメッセージを送信する時間が15秒と決められています。毎分00秒、15秒、30秒、45秒に全局が
送受信を切り替えます。そのためパソコンの内部時計の誤差を±1秒以内にしなければなりません。そのため
「iネッ時計」とか「桜時計」というソフトが必要です。
・ドライバーソフト
パソコンと無線機を接続するためのソフトで、無線機メーカーのホームページからダウンロードして使います。
接続の仕方によって必要なソフトは異なります。
・その他のソフト